
取材って、なんだか難しそう…



初心者の自分にできるのかな?
そんな不安を感じているあなたへ。
実は、取材は特別なスキルがなくても始められるんです。大切なのは、「相手の話を聞いてみたい」という気持ちです。
この記事では、取材が初めての方でも安心して取り組めるように、準備から当日の流れ、よくある失敗とその対策までをわかりやすく解説します。
読んだあとには、「ちょっとやってみようかな」と思えるはず。一緒に“取材の第一歩”を踏み出してみませんか?
そもそも取材ってなに?


取材とは、あるテーマや人物、出来事などについて詳しく知るために、実際に人に話を聞いたり、現場を見たりして情報を集める活動のことです。
テレビのレポーターや記者だけがやる特別なことだと思われがちですが、じつは私たちのような一般の人でも、誰でも始められるのが取材です。
たとえば、ブログで紹介したいお店のオーナーさんに話を聞くのも取材ですし、学校の新聞づくりで先生にインタビューするのも立派な取材です。
「話すのが苦手だし…」「何を聞けばいいかわからない…」と不安になる方も多いかもしれませんが、大丈夫です。
取材に必要なのは、ちょっとしたコツと「相手のことを知りたい」という気持ちです。最初は緊張するかもしれませんが、慣れていけば自然と楽しめるようになります。
このあと、取材をスムーズに進めるための準備や当日の流れ、よくある悩みへの対処法まで、初心者の方でもわかりやすく紹介していきます。ぜひ、気軽な気持ちで読み進めてみてくださいね。
取材に欠かせない準備とは


取材を成功させるカギは、実は「事前準備」にあります。いきなり相手に話を聞きに行っても、何を聞けばいいのかわからなかったり、話が深掘りできなかったりして、あとから「もっとちゃんと準備しておけばよかった…」と後悔することもあるので要注意です。
ここでは、初心者の方でも簡単にできる、取材前にやっておきたい3つの準備をご紹介します。
相手やテーマについてリサーチする
まずは、取材する相手やテーマについてしっかりと調べておきましょう。
たとえば、取材相手がカフェの店主なら、お店のホームページやSNS、口コミサイトなどを見て「どういうこだわりがあるのか」「どんなメニューが人気なのか」などを事前にチェックします。
調べておくことで、相手にも「ちゃんと準備してきてくれたんだな」と伝わり、信頼されやすくなります。話もより深く、スムーズに進みやすくなりますよ。
質問リストを用意する
次に、聞きたいことを「質問リスト」にしておきましょう。思いついた順にメモしてもOKですが、流れを意識して並び替えると、取材中に迷わず話を進められます。
質問は「なぜそう思ったのか?」「どうやって始めたのか?」など、相手の経験や気持ちが聞けるようなものにすると、いい記事につながります。
事前にリストを見せて「この内容で進めたいのですが大丈夫ですか?」と伝えておくと、相手も安心して答えやすくなります。
以下は取材相手が「お店の店主」の場合を想定した質問テンプレートです。相手の職業やテーマによってアレンジしてみてください。
【導入】アイスブレイク用
- 今日はお時間いただきありがとうございます。まず簡単に自己紹介をお願いできますか?
- このお店はいつごろオープンされたんですか?
【本題】仕事や活動について
- お店を始めようと思ったきっかけは何ですか?
- メニュー(またはサービス)へのこだわりや工夫を教えてください。
- お客さんとのエピソードで印象に残っていることはありますか?
【人となり】個人の考えや価値観
- 今の仕事を通して、一番うれしい瞬間はどんなときですか?
- 苦労したことや乗り越えた経験があれば教えてください。
- プライベートの時間はどんなふうに過ごされていますか?
【未来の話】
- 今後、挑戦したいことや目標があれば教えてください。
- 最後に、この記事を読む人にメッセージをお願いします。
質問は、あくまで“話を引き出すためのきっかけ”です。実際の質問では、リスト通りに進まなくても大丈夫。会話の中で出てきた興味深い話を深掘りすることも大切です。
必要な持ち物を準備する
取材をスムーズに進めるために、さまざまな道具を使用します。もしも足りないものがあると、ちょっとしたことで焦ってしまうことも。
そんなときのために、備えておくと助かるアイテムを紹介します。
■ 基本アイテム(必須)
アイテム | 理由・使い方 |
---|---|
メモ帳・ノート | 話の要点やキーワードを記録 |
ペン(+予備) | 書けなくなると困るので2本あると安心 |
録音機 or スマホ | 発言の正確な記録が残せる(許可必須) |
質問リスト | 取材の流れを整えるために必要 |
スケジュール帳 or カレンダーアプリ | 約束の時間や場所を確認、管理 |
■ サポートアイテム(あると便利)
アイテム | 理由・使い方 |
---|---|
モバイルバッテリー | スマホの電池切れ対策 |
名刺 or 自己紹介カード | 信頼感アップ&相手にも安心してもらえる |
クリップボード or 下敷き | 立ったままメモを取るときに便利 |
クリアファイル | 配布資料や自分の資料をまとめておける |
タイマー or スマホのタイマー機能 | 時間管理に役立つ(特に取材時間が決まっている場合) |
■ トラブル対応・予備グッズ
アイテム | 理由・使い方 |
---|---|
ハンカチ・ティッシュ | 夏場の汗ふきや飲み物の汚れ対策 |
雨具(折りたたみ傘) | 急な雨への備え(特に屋外取材のとき) |
マスク(予備) | エチケットや体調管理として常備 |
替えのメモ帳 or 替えの用紙 | 書くスペースがなくなることもあるので予備を用意 |
小さなゴミ袋 or 封筒 | 録音用イヤホンの保管や小物入れに便利 |
取材当日の注意点


事前の準備ができたら、いよいよ本番です!
初めての取材は誰でも緊張するものですが、流れを知っておけば落ち着いて行動できます。
ここでは、取材当日の初心者が気をつけたいポイントをわかりやすく紹介します。
あいさつと自己紹介ははっきりと
取材の第一歩は、信頼関係をつくることから始まります。取材相手に安心して話してもらうためにも、笑顔でていねいなあいさつを心がけましょう。
自己紹介の例「本日はお忙しい中、ありがとうございます。○○というメディアで記事を書いています、○○と申します。本日は○○についてお話をうかがいたく、お時間いただきました。」
あいさつがしっかりしていると、相手の緊張もほぐれて会話がしやすくなります。
質問シートはあくまでも補助的な役割
質問リストをもとに話を進めていきますが、あまり「台本通り」になりすぎないよう注意しましょう。自然な会話を心がけながら、相手の話に耳を傾けることが大切です。
・相手の話に「うなずき」や「へぇー!」などリアクションを入れる
・気になる言葉が出たら「もう少し詳しく教えてもらえますか?」と深掘りする
・難しい言葉が出たら「それって、どういう意味ですか?」と聞いてOK!
取材中、相手が専門用語やちょっと難しい言い回しをしたとき、「なんとなくわかった気がするけど、まあいっか」と流してしまいそうになることはありませんか?
でも、そのままにしてしまうと、あとで記事を書くときに“自分が理解できていない言葉を、うまく説明できない”という壁にぶつかってしまいます。
たとえば、取材相手がこんなふうに話したとしましょう。



うちはサードプレイス的な空間を意識してるんです
あなたが「サードプレイスって何だろう?」と思いながらも聞き流してしまったとします。
すると、あとで記事を書くときに、このような疑問が出てくるはずです。



サードプレイスって何? なぜそれが大切なの?
このように、言葉の意味がわからず、読者にも正しく伝えられなくなってしまいます。
しかしその場で、「サードプレイスってどういう意味ですか?」と聞けば、次のように教えてもらえるかもしれません。



家でも職場でもない、第三の居場所という意味で、リラックスして過ごせるカフェみたいな感じですね
すると、記事にはこう書けます。
「家や職場ではなく、気軽に立ち寄れる“第三の居場所”=サードプレイスを目指して、くつろげる空間づくりを心がけている。」
このように、あなたがその場で理解して初めて、読者にとってもわかりやすい記事に仕上がるのです。自分が100%理解しないと、読者にも伝えられません。わからないことは素直に聞いて大丈夫です!
録音やメモも忘れずにとる
録音は、相手の許可を取ったうえで最初からスタートします。スマホを使う場合は「機内モード」にしておくと通知音などが入らず安心です。
メモはこんなポイントを意識してみてください。
・キーワードや印象に残った言葉をメモする(全部書こうとしなくてOK)
・相手の表情、声のトーン、身ぶり手ぶりなども印象として残す
・「ここは記事に使いたい!」と思った部分に★印などをつけておくと後で見返しやすい
終わりのあいさつとお礼を忘れずに
質問が一通り終わったら、「本日は本当にありがとうございました」と感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。短い時間でも、ていねいな言葉が信頼につながります。
名刺やお礼メモを渡すと、より印象が良くなります。最後に、記事完成後に確認してもらいたい場合は「後日ご連絡を差し上げます」とひと言添えておくとスムーズです。
ひと言添えておかないと、以下のようなトラブルが発生することもあるので、注意しましょう。
・いきなり連絡しても「確認が必要だとは聞いていない」と驚かせてしまう
・「勝手に書かれた」と感じられて信頼関係に影響する
・修正対応がうまくいかず、掲載が遅れる可能性もある
取材は“情報をもらう場”ではなく、“話を引き出す場”です。はじめは緊張して当然。でも、丁寧に準備して、相手をリスペクトする気持ちがあれば、きっと良い取材になりますよ。
取材後に忘れずやるべきこと


取材が終わって「ふぅ、終わった!」と一息つきたくなる気持ち、よくわかります。でも、本当に大事なのは“取材後の行動”です。
取材がスムーズに終わっても、取材後の対応が雑だと、せっかく築いた信頼が崩れてしまうことも。ここでは、初心者でも失敗しないための「取材後にやるべき3つのこと」をご紹介します。
お礼のメッセージを送る
取材が終わったら、なるべく当日~翌日中に「お礼のメールやメッセージ」を送りましょう。「貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」と感謝を伝えることで、相手に良い印象が残ります。
早ければ早いほど良いので、私は取材帰りの電車の中で送ることもあります。
ケースによって異なりますが、テンプレートを以下で紹介します。
○○様
本日はご多忙の中、取材にご協力いただき誠にありがとうございました。
○○についてのお話、とても興味深く勉強になりました。
今回の内容をもとに、記事を作成し、後日ご確認のご連絡を差し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします。おおしまはな
メールでもLINEでも、ていねいな言葉と感謝の気持ちが伝わるように書きましょう。
録音データ・メモの整理
録音データは、時間が経つとどの部分にどんな話があったか忘れてしまいがち。取材が終わったらなるべく早くメモと録音を見直して、要点を整理しましょう。
おすすめの整理方法は以下のとおり。
・メモを見ながら、録音で補足・正確な表現を確認
・気になった発言や名言に★や色をつけておく
・GoogleドキュメントやWordにまとめておくと便利
録音を「文字起こし」しておくと、あとで記事を書くときもスムーズになります。無料アプリやAIツールを使えば、かなりの時短になりますよ。
また、最近ではAIを使って自動で文字起こししてくれる便利なツールもあります。
私がよく利用しているのが、LINE WORKSの「AI Note」です。
録音した音声を自動で文字に起こしてくれるので、取材の振り返りや記事化にとても役立ちます。
しかも、無料で使えるので、まずはお試し感覚で使ってみるのもおすすめです。初めての取材で不安な方にも、強い味方になってくれるツールですよ。
他にもNottaやPLOUDなど、さまざまなAI文字起こしツールがあります。ご自身に合った者を選んでみてください。
記事を書くときは誤解がないように
記事にまとめるときは、「自分の言葉で書き直す」こともありますよね。でもその際、相手の意図が変わってしまわないよう注意が必要です。
主に気をつけたいポイントは以下のとおり。
・話の流れや意味を勝手に変えない
・意図があいまいな発言は使わない、または確認をとる
・引用や名前を出す場合は、あらかじめ承諾をもらっておく
わかりやすさや読みやすさに加え、「正確さ」と「やさしさ」の両方を意識することで、読者にも相手にも信頼される記事になります。
記事の確認をお願いする場合
記事が完成したら、事前に伝えておいたとおり相手に確認をお願いしましょう。
その際は「確認してほしいポイント」を簡単に添えると、相手もチェックしやすくなります。
メールの例文は以下のとおり。
○○様
先日お話いただいた取材内容をもとに記事を作成いたしました。
添付の原稿をご確認いただき、内容に誤りや問題がないかご確認をお願いいたします。
ご指摘があれば、お手数ですが○日までにご返信いただけますと幸いです。
取材初心者が陥りやすいミスとは?


取材は経験を重ねることで上達していくものですが、最初はどうしても「うまくできなかった…」と感じることもあるでしょう。
一度失敗したからと言って、落ち込む必要はありません。ここでは、初心者がつまずきやすい“あるあるミス”と、対処法についてご紹介します。
緊張してうまく話せなかった
「頭が真っ白になって、質問が飛んでしまった…」というのは、初心者にとってとてもよくあることです。
そのような場合は、次の対処法を試してみてください。
・質問リストは手元に用意しておく(紙に印刷しておくのがおすすめ)
・深呼吸して「間」を怖がらないことが大切
・無理に話そうとせず、「○○についてもう少し詳しく教えていただけますか?」など、会話の“きっかけ”をつくる
最初に「ちょっと緊張してますが、よろしくお願いします!」と正直に言ってしまうのも一つの手です。相手も人間なので、やさしく対応してくれるはずです。
また、「間」に関しては、かなり待ってもいいと思います。私は少なくとも15秒は待つようにしています。なぜなら、「間」が発生するということは、相手が一生懸命考えているからです。
初心者のうちは、取材の「間」は怖いと思います。しかし、焦らなくても大丈夫。しっかりと時間をとって、相手の考えを引き出しましょう。
質問がうまく出てこなかった
話を聞いているうちに流れが変わって、用意していた質問が使えなくなることもあります。その場合は臨機応変に対処することが求められます。
・「なぜそう思ったのか?」「どうやって始めたのか?」という“深掘りの基本ワード”を覚えておく
・キーワードが出てきたら「そこを詳しく聞こう」と切り替える
・どうしても困ったら「今のお話、すごく興味深いです。もう少し詳しく教えてもらえますか?」と投げかける
“完璧な質問”じゃなくても、構いません。相手の話に興味を持って反応する姿勢を忘れずに対処しましょう。
相手の話を正確に書けていない
記事にまとめているときに「これ、ちゃんと伝わるかな?」「意味がズレてないかな…」と不安になることもあるでしょう。
そのような場合は、このような対処法がおすすめです。
・録音を聞き返して“言葉の使い方”をチェック
・自分の言葉で書き換えるときは、「相手の意図」がズレていないかを確認
・不安なときは、記事を送る前に再確認をお願いする
「記事が完成したら確認してもらってもいいですか?」と事前に伝えておけば、あとで相談しやすくなります。
メモや録音がちゃんと取れていなかった
録音ボタンを押し忘れていたり、メモがうまく取れなかったりするのも、よくあるミスです。事前にしっかりと確認しておくことが、ミスを防ぐポイントとなります。
録音機(スマホ)は話し始める前に必ず確認
文字起こしアプリを使う
メモは完璧に書くのではなく、キーワードだけでもOK
「完璧にメモしなきゃ!」と焦るより、“会話に集中して記録は補助ツールに頼る”というスタンスが◎です。
まとめ:経験をつみ、取材を楽しもう!


取材というと、「難しそう」「自分には無理かも」と感じてしまうかもしれません。
でも実は、ちょっとした準備と心構えがあれば、誰でも一歩を踏み出せるものなんです。
最初はうまく話せなかったり、質問が飛んでしまったりすることもあるでしょう。録音を忘れてしまったり、記事を書くのに時間がかかってしまったり……。
しかし、それらはすべて「取材に挑戦した証」であり、次に活かせる大切な経験です。
最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。記事を書いて、振り返って、また一つ覚える。
そんなふうに一歩ずつ積み重ねていけば、きっと「自分らしい取材スタイル」ができていきます。
まずは一度、誰かに話を聞きに行ってみませんか?
きっとそこから、新しい世界が広がっていきますよ。
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